導かれて

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そこを曲がると、ホテル ル モンラッシェだった

 今でこそ素肌のワインに拘る私たちも、最初はお「導き」による某ワインとの出逢いが全ての始まりだった。まずは、自然派へ至るまでの私たちのお話に、しばしご辛抱を!

 忘れもしない1997年7月19日夕刻、ブルゴーニュを縦断する国道74号線を下り、ピュリニー・モンラッシェに着いた時だった。「次の角を左に曲がると右手に広場があり、ホテルは左手の駐車場の前」と、いきなり目の前にヘッド・アップ・ディスプレイが現れたかのように、脳裏に道順が浮かんだ。以前、白山を旅した際に白峰温泉で同じように道が分かり、スペインのグラナダからアリカンテへ向かう途中、ロルカ辺りの道が見えたこともある。またもデジャ・ヴュ…?幸先良し?

 目的のル モンラッシェは、ミシュランの赤ガイドで*付きの併設レストランが気になり予約したホテルだ。しかし、えらく到着が遅れた。前夜ランスでのシャンパン・ディナーで羽目を外し、この様だ。参った、参った。

 それにしてもクレイエール・ボワイエールは、パリやブリュッセル、リュクサンブルグの恋人たちの逢引の隠処のようで、ロエデールのクリスタル ロゼが格段にお似合いの館だった。気持ち良く飲みすぎ、朝の目覚めは派手な頭痛で、ああ、起きれない。それでもなんとかリセイ経由でピュリニーへ到着。早速レストラン中央の席に通され、席に着き一息と思いきや、ケイコが突然、頭が割れんばかりの奇天烈な声を上げた。「あった!」???