連帯のグルメ、ん?「さかな工房 丸万」

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 フランスにいる時は、結構YouTubeで日本のテレビ番組を観ている。中には当然グルメ番組もあり、「孤独のグルメ」もその一つだった。松重豊が演じる井之頭五郎のお話は、結構楽しく観ているけれど、それじゃ実際に「行ってみたい」と思う処は、意外とない。そんな中、松山にある「さかな工房 丸万」だけは、絶対に行きたかった。

 その松山は広島の対岸。となれば、船で渡るしかないじゃん。広島からはスーパージェット(高速船)もあるが、高い。それじゃぁ、ゆっくり瀬戸内海を眺めながらとクルーズフェリーにしたら、あいにくの雨模様でほとんど何も観ることなく対岸についた。まぁいい、道後温泉で一風呂浴びて、丸万へ行こう。

 と呑気にしていたら、あらら、道後温泉にはあまりタクシーがいない。ようやく空車に乗り込み行き先を告げると、「祇園町?どのへんや?」知るわけないじゃん、初めてなんだから。「たぶん、あそこやと思うんやけど…。わしら地元の人間は瀬戸内の魚やないとあかんから、行ったことない。あそこはいろんなもんだしてくれますよ。」えっ、なんじゃ、それ。

 戸を開けると、土間?踊り場?何かわけの分からない空間があって、その向こうにカウンターが見える。その上に、これでどうだとばかり魚が並べられている。その後ろで、大将の丸山さんが一人で魚をさばく。さらにその奥の厨房では、奥様らしき人が揚げ物などを用意する。

 私たちが魚の真ん前の指定席に着くと、早速大将の丸山さんが、「うちじゃ、おまかせでもいいし、ここの魚のどれかを指差して、それ何じゃ?どうやって食べるんじゃ?でもええし、この魚、焼いてくれ、炊いてくれ、どうしてくれでも、何でもありだから。」と説明してくれる。「それじゃ、お勧めは?それから、穴子のたたきを食べたいな。それに鯛丼!」ここで大将、ニヤッとすると、「えーと、今日は穴子、あります。穴子は鍋も美味いけど、どうする?」このアナゴ鍋、「こんなに美味い穴子は今まで食べたことない」と思わず叫ぶほどの絶品だった!本当に美味い。そして鯛丼、「孤独のグルメでみた、あれや!これを食べなきゃ、ここへ来た意味がないぜ!」

 ところで丸万さん、元々仕出し屋さんらしい。そこで明日の朝食昼食用に2食x2人分=4つのお弁当を作ってもらったら、「あらまぁ、なんと豪華絢爛なことでしょう!」