スロベニア的新墾

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Branko & Vasja Čotar – Vina Čotar

 スロベニアでは桁外れなことが続いた。なんと50cmの盛土で開墾ならぬ「新墾」した人たちがいた。イタリアのトゥリエステの丘陵丘カルソ地区の延長上、国境から五分ほどのクラスにあるチョッター ワインのブランコとヴァッシア親子だ。彼らによって客土された赤土はトラック一万台分(?)に及ぶと言う。そこに植樹し、葡萄畑を作ったのだ。

 もっとも、レストラン経営が本業だったチョッター家が、無分別にこのような大規模な土地改良(?)計画を実行し、現在の本業である葡萄栽培醸造を始めたわけではない。この地方には元々、土を掘り、その掘った土で盛り土をし栽培する伝統があるのだ。ただ、通常なら穴を掘ったすぐ横に盛土をするところを、別の場所に土を移したのである。その採土場へ足を運ぶと、アスパラガスの群生の中に巨大な円錐形の穴がポカリと開いていた。

 現在7hを有し、主に土着品種のテッラーノ(地方名レフォスコ)とマルヴァジア(マルヴァジア イストゥリアナ)を栽培。この赤土で獲れた葡萄が運ばれ醸造される蔵が、また凄い。醸造後の熟成に使われるセーラーは二段重ね、そう、石造りの地下二階建てだ。そこで十分に寝かされた後、独特な「指紋付き(デザイン)のラベル」で世に出される(SO2無添加のワインもかなりある)。個人的には、将来テッラーノをかめ壺で醸造してくれればありがたいのだが、さて、どうだろうか。