ククルーチョ

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 スペインでは、リベエラ デル ドゥエロの生産者の訪問が一番多かった。その中でも特に思い出の残る場所が一つある。ヴィリャクレセスだ。約束の日、フィンカに着くと、車の中から手を振る人がいた。指示された通りに回り込み車を停めると、すぐ傍にその人も車を停めた。細身の、一見神経質そうな紳士が降り立った。党首のペドロ クワドラド・ガルシアだった。挨拶もそこそこに、彼は私達を建物へ導いた。入り口の脇に、一人の老人が腰掛けている。そして側まで来て、ハッとした。銅像だった。何故か胸が熱くなり、涙がこぼれた。

 銅像は実存した人物だった。背が低く、生涯ククルーチョ(小鳩)と呼ばれた老人。冬の間毎朝そこに座り、目の前に登る暖かい太陽を待っていた、という。そしてペドロが六歳の時に、亡くなった。ヴィリャクレセスの番人だった。いや、今も番人だろうか。ピーター シセックが初のピングスを醸造するにあたり場所を借りたヴィリャクレセスは、私たちの訪問後に、ペドゥロの手を離れた。ククルーチョの思い出は今何処、それが気になる。

Pedro Cuadrado – Finca Villacreces

Peter Sisseck – Dominio de Pingus

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