モンラッシェって、何?

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モンラッシェを求め駆け回った時期に出逢った生産者の方々。後にこれらの写真をもとにLe Montrachetの刊行に至る。

「モンラッシェは、出逢った人の人生を変える。オー、モンラッシェよ。お前はなんと夢を見させてくれることか。」 オリヴィエ ルフレーヴ(オリヴィエ ルフレーヴ フレール)

「初めて出逢うモンラッシェは、他のワインとは異なる多くのことに気付かせてくれる。著しい違いではないが、よく注意を払えば、全く独特な均衡の中に存在する豊かさを見いだせる。それを人は『モンラッシェする』と言う。」 ピエール モレイ(モレイ・ブラン)

「モンラッシェは、気付いてもらえることだけを望んでいる大のはにかみ屋さ。だから、こちらから探しに行かなければ見つからない。」 マルク コラン(ドメンヌ マルク コラン エ フィス)

「不思議なものだ。モンラッシェの力強さと優雅さの共存は、まるで魔法だ。」

 ドミニック ラフォン(ドメンヌ デ コントゥ ラフォン)

「果たして、この神秘の産物と同質のワインを何時か何処か他の所で造れるか…。それは無理。モンラッシェは唯一のものだから。」 ローランス ジョバール(メゾン ジョゼフ ドゥルーアン)

「モンラッシェは雄大且つ、逸品だ。」 (ルネ&ニコラ フルーロ、ドメンヌ ルネ フルーロ エ フィス)

「そして何と優雅なものか。ル モンラッシェは荘厳だ。」 ジャン・マルク ブラン(ドメンヌ ブラン・ガニャール)

「モンラッシェは、数あるシャルドネィの中で至上のもの。」 ルイ ラトゥール(メゾン ラトゥール)

「そう、モンラッシェはやはり最高のもの、精華だ。」 ジャン・ミシェル シャルトゥロン(シャルトゥロン エ トウレビュシュ)

「だからモンラッシェは完璧以上のものでなければならない。驚異的でなければいけないのだ。」 ルネ ラミ(ドメンヌ ラミ・ピヨ)

「モンラッシェは、かつて人がシャルドネィを植えたことで、このフランスの片田舎の一角を昇華させ、忘れ難いものとし、神話にまで祭り上げたものだ。」

 マルタン プリウール(ドメンヌ ジャック プリウール)

「素材と構造を産み出す粘土質と、繊細さや優雅さを醸し出す石灰質の釣り合いが申し分のない、選ばれた土壌から産み出される選ばれたワイン、それがモンラッシェ。」 ジェラール ブード(エティエンヌ ソゼ)

「つまり、神に捧げられたワインだ。それを味わうのは、聖体拝領の儀式のようなもの。」 ギ アミオ(ドメンヌ アミオ ギ エ フィス)

「モンラッシェを食卓に出せるのは、真の文化の伝承に加わる喜びであり、生きる術でもある。それが分かれば、その対価を支払う価値がある。何故なら、モンラッシェは一本一本が芸術品だから。」 ジョゼフ アンリオ (ブシャール ペール エ フィス)

「一九七八年のモンラッシェ。うちが畑を購入した年のもの、かけがえのない想い出だ。」 ノエル ラモネ(ドメンヌ ラモネ)

「モンラッシェは一つの伝説である。モンラッシェやその伝説と共に生きられることは、私達に与えられた特権だ。」 ジャック&ジャン・バティストゥ ボルドー(ドメンヌ テナール)

「我が社の一八八九年のモンラッシェは心を震わせるもので、例外的な、正に感動そのものだった。」 ピエール・アンリ ガジェイ(メゾン ルイ ジャド)

「つまり、熟成したモンラッシェに出逢えば、各々がそれまで生きてきた過去に、歴史に照らし合わせて、モンラッシェに対する言葉を見つけるはず。それは感慨の一瞬だと思う。」 アンヌ・クロードゥ ルフレーヴ(ドメンヌ ルフレーヴ)

「モンラッシェはとても微細だ。でもワインに変わりはない。平凡微細なワインだ。」 リシャール フォンテンヌ(ドメンヌ フォンテンヌ・ガニャール)

「アレクサンドゥル デュマが、跪き脱帽して飲むもの、とモンラッシェに献辞を贈ったが、モンラッシェは単なるワイン。ただ、本物のワインだ。」

 クロードゥ シュネイデール(シャトー ドゥ ピュリニー・モンラッシェ)

「モンラッシェは、黒い瞳をした金髪の美少女。純粋性を保ちながらも、何か非常に熟れた地中海的な一面を持っている。とても熱く開放的で魅力のある官能的なワインだ。」 オベール ドゥ ヴィレンヌ(ドメンヌ ドゥ ラ ロマネ・コンティ)

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「ル モンラッシェは、それは絢爛豪華な燕尾服をきっちりと見事に着こなした大公殿下(皇帝陛下)のようなもの。味わえるようになるまでゆっくりと、ゆっくりと、ボタンを一つ、また一つと外していく。」 ジャック ガニャール(ドメンヌ ガニャール・ドゥラグランジュ)

 シャサーニュ村の重鎮はモンラッシェをこう讃えると、

「だから、待つだけさ。何時か開くのを。」

と言った。

 それでモンラッシェって、一体何…。